前々回、内受容感覚と練功の関連性に触れました。この内受容感覚は体が発した生理学的信号を脳が感知する仕組みです。
この感覚は信号、メカニズム、機能など多くの領域に及び、生理機能や解剖学的経路など、どのように区分すればよいのかは未だ明らかではありません。客観的指標と必ずしも合致せず、不調を感じて病院へ行き検査結果異常なし、ということもよくあります。
私の知人は仕事のストレス下で腹痛や派手な下血まで起こしましたが、消化器内科を受診、検査し「どこも悪くありませんよ😊」と言われ、気の毒でした💦
内受容感覚は、20世紀初頭の生理学者チャールズ・スコット・シェリントンが臓器が発する信号を中枢神経系がどのように感知するかを指す、「内受容性」という用語を用いたのが始まりです。
外受容、自己受容、内受容という区分のうちのひとつでした。
時と共に定義は進化し、21世紀頃には感情における内受容感覚への意識的アプローチ方法、そして「瞑想の内観技法」に取り入れられ、認知科学、生理学、メンタルヘルスの分野などにも取り入れられています。
🫀内受容感覚は、体内の生理状態を神経系が受け取り、解釈し、統合する働きです。
・呼吸・心拍・空腹・内臓の張り・体内の安定や乱れなど
🤸自己受容感覚は、筋、腱、関節などからの情報によって、身体の位置や動きや力を知る感覚です。
・姿勢・関節角度・重心移動・伸び縮み・張力の把握 など
練功や武術稽古、また動的な習い事においては、身体感覚と自己への感受性の精緻な把握が磨かれます。
こちらは「内受容感覚」も使いつつ、空間的な「自己受容感覚」をより使います。
空間の中での自己の知覚の把握を指し、位置や角度、伸縮、荷重として感じられます。
私の練功の場合は
⭐姿勢のずれ
⭐肩や腰の力みの有無
⭐骨盤の傾きの度合
⭐重心の流れ方や場所、足裏の感覚
⭐張りや抜け
などの感覚確認となり、胸腹の圧の確認や呼吸の感覚という内受容感覚も見、中庸・均等やその他技法を行います。
例えば站椿功で膨張を行う場合、初期は意識的に膨張を、各部分丁寧に行います。
これは自然と状態の観察となり、顎の緩み方、横隔膜の状態や鳩尾の緩み方、筋の捩れ、末端感覚、均等感覚、これらが有って良い掤勁となりますので、日々の状態の良いチェックとなっています🙂
練功は内受容感覚と外受容感覚を繋げるものでもありますが、立ってみて体の違和感や感覚的に辛いところがあれば微調整を試み、呼吸や内臓感覚が楽になり、良い膨張や良いエネルギーの流れの練功が出来るところに持っていけますと、自己受容感覚の変化が内受容感覚に響いたことになります。
ここが分かちどころ、という絶対的ポイントはありませんが、調子、快不快、通りを感じている時は内受容感覚寄りで、情動や自律調整に結びつきやすい系(主に内臓系)と関係し、気分や安心度合に影響しやすく感じます。
形、位置、張力を見ている時は自己受容感覚寄りで、運動制御や姿勢調整に関わる系(主に体壁系)と関係し、力みや動作の正確さに影響しているようです。
この内的練功の積み重ねでは外的情報、外受容との関わりも変容し、内外コントロールの可能性が開けていきます😺